倫理とは何か-デュウイ=タフツの倫理学

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皆さん、倫理とは何でしょうか?
「社会で『やってはならない』とされていることをやらないこと」だと漠然と思っている人は多いと思います。

では「社会規範の通りに生きていれば倫理的か」と問われるとどうか?
ううん。考え込んでしまう人が多いと思います。

一体、「倫理」とは何(或いはどういうこと)をいうのでしょうか?

デュウイ=タフツはこう言っています。

  1. 倫理学は、行動を正邪、善悪の考察にたって、あつかう学問である。
  2. この立場で考察される行動を単独のコトバでは「道徳行動」または「道徳生活」という。
  3. 同じことをいいかれれば、倫理学は、行動にたいするわれわれの諸判断が、正か邪か善か悪かの見地から評価されるかぎりにおいて、それらの諸判断の体系的説明を試みる学問である。

難しく聞こえますが、私たちが生活を営む上において「何が望ましい発言や行動なのか」を問うていく知的作業が倫理学だというわけです。

ところで、倫理学の中に慣習倫理ということばがあります。

善悪の尺度を社会の慣習に求め「社会が正しい(正しくない)というから正しい(正しくない)」という論法で善悪を決めるという倫理のあり方です。

集団で生活するためには秩序が必要です。

秩序を守るためには世の中一般に「悪い」とされていることをやってはならないことは言うまでもありません。

その意味において、「やってはならない」と言われていることをやらないことは確かに倫理的だといってもいいと判断できます。
社会的規範を逸脱した企業を「倫理的でない」と非難しても間違いではないでしょう。

しかし、社会の規範通りに経営している企業が即倫理的な企業となるのでしょうか?
或いは、昔からよいとされているお手本通りに生活することが本当の意味で倫理的に生きることになるのでしょうか?

デュウイ=タフツはこうも言っています。

  • 慣習的道徳反省的道徳との区別は、知的には明瞭に区切りをつけることができる。
  • 前者は、行動の尺度と規則のありかを、祖先伝来の習慣におく。
  • 後者は、良心理性に訴えるか、あるいは思想をふくむ何らかの原理をよりどころにする。

おや、「反省的道徳」という言葉が出てきましたね。

この“道徳”という言葉を“倫理”に置き換え、もう一度読んでみて下さい。

冒頭で指摘した「社会の規範通りに生きていれば倫理的か?」と問われるとちょっと考え込んでしまう理由がここに隠されていると私は思うのです。

つまり、「規範に従う=慣習倫理に従う」というのは、倫理の一部にすぎない
倫理とはそれだけではないから、「社会的規範通りに生きていれば倫理的か?」という問いに対して気持ち悪さが残るのです。

デュウイ=タフツはさらにこう言いました。

  • 何が正しく何が不正であるかについて既成信念が支配しているかぎり、道徳理論は生まれでることができない。
  • なぜなら、そうした場合、反省を行ういかなる機会もめぐまれないからである。

規範に従うというのは倫理の一部にすぎません。
倫理とはそれだけではない。

私は、本当の倫理とは『他人に頼らない、すなわち、既存の倫理を「本当にそれでいいのだろうか」と前向きに疑い、自分で納得のいく答えを求めていくという精神的態度からでて来るべきものだ』と考えます。

そして、今の私たちに欠けているのは「自分の良心や思想に従った自律的な生き方から出てくる反省的な倫理(或いは道徳)だと考えます。

初稿:2010年 10月18日https://profile.ne.jp/w/c-46800/

(中沢努 「人間としてのコンプライアンス原論」を一部加筆)
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資料作者

本サイト運営者 中沢 努

早稲田大学文学部で哲学を学び卒業後、同時通訳訓練を受ける。事業会社を経てアーサーアンダーセンへ入社。同社コンサルティング部門にて組織や人事問題に関する各種コンサルティング活動に従事。現在は「企業倫理・コンプライアンス」と「教養・リベラルアーツ」の分野を中心に活動。

哲学や心理学に対する造詣が深く、それらの知見をコンサルティング・意識改革・人材育成等に採り入れ応用。伝統的日本企業の組織や人材に対する深い理解と経験を有しており、日本国内中心で活動している企業のみならず、グローバル企業に対してもコンサルティングサービスを提供している。

通常のコンサルティング・研修に加え、外資系クライアント向けに英語によるコンサルティングやファシリテーションも行う。

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