コンプライアンスを守る力というのはどこに在るのか
多くの企業がコンプライアンスを守らせるために社員教育をしている。
そして、その効果にどことなく疑問を感じている。
なぜか?
知識中心の研修をしているからだ。
- 組織的不正でよく見られる「経営陣への忖度」や「会社への同調」「社内世論への迎合」を禁じても、不正は防止できない。
- なぜなら、それは会社や上司が「社員の生殺与奪を握って」おり、それに従った方が「得をする」、それに逆らうと「損をする」から。
- お金の着服や自社商品の窃盗などを禁じても、不正は防止できない。
- なぜなら、(それを)やる人は「これはやっちゃいけない」と分かっている、はっきりとそう思わなくても「本当はすべきではない」と心のどこかで感じているから。
知識を与えても、コンプライアンスは守られない。
コンプライアンスを守る力はそういう場所にはない、からである。
最近のネットでは人はすぐつぶやく。
手紙ではそうはいかない。
でも、その手間と時間がいいのだ。それだけ考えるのだから。
思考をねかし、思考を熟れさせ、完熟させないと薄っぺらな人間になるぞ。
いつもとは違う言葉が出てくるかもしれない。
では、コンプライアンスを守る力というのはどこに在るのか?
それはあなた自身の心の中、すなわち「自分自身の内面」に在る。
だから
- 思考をねかし
- 思考を熟れさせ
- 完熟させる
このようにして内面を豊かにし、「薄っぺらでない人間」にならなくてはいけない、のだ。
出所:中沢努 「人間としてのコンプライアンス原論」
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(参考)大人のための人格教室