ビジネス書、実は買わされているだけ?
経営理論には流行がありその流行り廃りを受けてビジネス書のトレンドも決まったりします。
ビジネス書で語られる理論やノウハウは商品なのです。
「みんなこの事に気付いているのかな・・・」書店のビジネス書コーナーで真剣な面持ちで本を見ている人達を見るたびに思います。
商品の裏には売る側が存在する。
売る側は「顧客のためになるものを提供する」という正当な言い分に基づき自らの利潤を追求する。
「あたりまえだろ」という声が聞こえてくるような気がしますが、私が言いたいのはそういうことではない。
売る側はあなたやあなたの会社と同じように利潤の極大化を狙いセールス&マーケティングをします。
売り上げ数字を伸ばすため、ときには強引に顧客の購買行動を引っ張り出す。
それは「○○ぐらいは知らないと困る」「だから××を読んで勉強しろ」という空気を生み出しかねない、生み出し得る、いやとっくに生み出されいて、いたるところ充満している。
そこでは、買う側が自分のニーズをきちんと把握していないと売る側のセールストークに翻弄されかねない。
「それは顧客の自己責任」
「お客様が自分で選んだのだからそれでいいでしょう」
・・・自社の商売をしている時のあなたはきっとそう言うでしょう。
そう、世間の空気や広告に背中を押されて本を買うか否かもあなた次第です。
全くもってあなたの自由です。
ビジネス書を書く側の思惑の一部を教えます。
書く側からすると、あれは一種の販促ツールなんです。
本が売れる。
名前が広まる。
引合いがくる。
もちろん「顧客のためになるものを提供する」という正当な言い分があるのですからそれはそれでいい。
本当に必要な人にとってはありがたいに違いないのですから。
しかしそうでない人にとっては・・・。
あなたは、わざわざ相手の販促ツールをお金を払って買ってあげていませんよね?
出所:中沢努「思考のための習作」
(初稿)2010年 6月3日
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筆者
早稲田大学文学部で哲学を学び卒業後、同時通訳訓練を受ける。
複数のコンサルティング会社で仕組みによる人間系の問題解決に従事した後、「人間そのもの」に焦点をあてたコンサルティングや教育を開始。
現在は「個の内面に深く入り込む」ことにより組織内の様々な問題解決を行う活動に従事。キャリア30年。
※ 筆者による他の教育資料もご参考下さい。→ ①公開資料集、②コンプライアンス資料庫